【緊急解説!】三菱自動車の不正を分かりやすく解説してみた
「またやってしまった・・・・・・。」そんな声しか聞こえてこなくなりそうな、昨今である。今週、前代未聞のニュースが飛び込んできた。なんと、三菱自動車のEKワゴンのカタログ燃費の値が嘘だったというのだ。このニュースを聞いた瞬間、筆者としては、個人的な事情もあり、非常に複雑な思いであった。
残念で仕方がないが、ここは語らなければなるまい。今回の不正の概要はこうだ。
クルマの走行時にかかる「走行抵抗」の数値を燃費に有利なるように、都合のよい数値のみを使用し、実際の燃費よりも燃費を良くみせたというものだ。また、実際の走行抵抗の測定方法も、国内の法規で定められていないやり方で測定しており、より燃費に有利に働くようにしていた。(今回、「分かりやすさ」を重視するため、詳細な走行抵抗の測定方法や国土交通省の検査方法などの解説はあえて行わないことにする。)
そのため、日本国内で実際に使用した時はカタログ通りの燃費にはならなくなってしまう。大体10%前後落ちてしまうようだ。
新車を日本で販売するには「型式認定」を受けるため、エンジンの性能や燃費、車体の大きさなど、クルマの情報を国土交通省に届けなければならないが、そのデーターは「自動車メーカーからの数値が間違いない」ことが大前提になっているため、国土交通省も不正を見抜けなかったと思われる。今回の事件を機に、今後、国土交通省も検査方法の見直しを含め、大幅に制度見直しを迫られることになってしまうかもしれない。まさに、制度そのものの根幹を揺るがす事態になってしまった。
過去にも、品質問題で大きくブランドを失墜させたにもかかわらず、「同じことを繰り返し、いつまでたっても変われない」ことが最も大きな問題ではないかと思う。確かに、三菱グループの「身内を守る」ために、グループ総出で支援する姿は、他の会社では決して真似が出来ない素晴らしいことだと思う。
しかしながら、それを「勘違い」してはいないだろうか?「何をやっても許される」、「決して潰れない」という、甘えや気のゆるみが今回の事件を引きを越したのではないだろうか。これでは支援した三菱グループのメンツは丸つぶれになってしまうし、「恩を仇で返す」と言われても仕方がない。
「過去に学び、同じ過ちを決して繰り返すことなく、スリーダイヤを復活させる」ことこそが、三菱グループへの恩返しになるのではないだろうか。今後、社内調査が進み、今回の不正の概要が明らかになっていくうえで、お客様への補償や対応を迫られることになると思う。
非常に厳しい環境に置かれることは間違いないと思うが、誠実に事態を収拾してくれることを願うばかりだ。
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